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イヤホン選び完全ガイド!後悔しないための全知識

音楽を聴いたり、動画を楽しんだり、オンライン会議をしたりと、私たちの生活に欠かせないアイテムとなったイヤホン。でも、いざ新しいものを探そうとすると、「種類が多すぎて何が何だか…」「専門用語が難しくてよくわからない!」なんてこと、ありませんか?

家電量販店やネットショップには、星の数ほどのイヤホンが並んでいます。価格もピンからキリまで。そんな中から、自分にピッタリの一台を見つけ出すのは、まるで宝探しのようですよね。宣伝文句やレビューだけを頼りに選んでしまい、実際に使ってみたら「なんか思っていたのと違う…」と後悔した経験がある方も、少なくないのではないでしょうか。

この記事は、そんな「イヤホン選び難民」のあなたを救うための、徹底お役立ちガイドです。特定の製品をおすすめするような宣伝は一切ありません。その代わりに、イヤホン選びで失敗しないために知っておくべき「知識」を、これでもかというほど詰め込みました。

イヤホンの基本的な種類から、音質を左右する専門的な技術、あると便利な機能まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。この記事を最後まで読めば、あなたはもう店員さんの説明やレビューに惑わされることはありません。スペック表の数字や専門用語の意味を理解し、自分の耳とライフスタイルに本当に合ったイヤホンを、自信を持って選べるようになるはずです。

さあ、あなただけの最高の音楽体験を見つける旅に、一緒に出かけましょう!

  1. イヤホンの基本!まずは種類を知ろう
    1. 形状による分類
      1. カナル型(耳栓型)
      2. インナーイヤー型(開放型)
      3. 耳掛け型
      4. 骨伝導イヤホン
    2. 接続方法による分類
      1. 有線イヤホン
      2. 完全ワイヤレスイヤホン(TWS)
      3. 左右一体型ワイヤレスイヤホン
  2. 音質の決め手!ドライバーユニットって何?
    1. ダイナミックドライバー(DD)
    2. バランスド・アーマチュア(BA)ドライバー
    3. ハイブリッド型
    4. その他のドライバー
  3. スペック表を読み解く!専門用語を徹底解説
    1. ハイレゾ音源とは?
    2. コーデック(SBC, AAC, aptX, LDACなど)
    3. インピーダンス(Ω)
    4. 感度(dB)
    5. 再生周波数帯域(Hz)
    6. 防水・防滴性能(IPX)
  4. もっと快適に!便利な機能を知っておこう
    1. ノイズキャンセリング機能
      1. アクティブノイズキャンセリング(ANC)
      2. パッシブノイズキャンセリング
    2. 外音取り込み機能(アンビエントサウンド)
    3. マルチポイント接続
    4. マイク性能と通話品質
    5. 操作方法(タッチセンサー、物理ボタン)
    6. 専用アプリとの連携
  5. あなたにピッタリのイヤホンを見つけるための選び方
    1. 利用シーンから考える
      1. 通勤・通学で使うなら
      2. スポーツ・運動で使うなら
      3. 自宅でじっくり音楽鑑賞するなら
      4. オンライン会議・通話で使うなら
    2. 音の好みから考える
      1. 低音重視(迫力のあるサウンドが好き)
      2. 中高音重視(ボーカルや楽器の音が聴きやすい)
      3. バランス重視(フラットな音が好き)
    3. 装着感とフィット感の重要性
      1. イヤーピースの種類と選び方
      2. 自分の耳に合うかどうかの確認方法
    4. 予算から考える
  6. イヤホンを長持ちさせる!お手入れと保管方法
    1. 基本的なクリーニング方法
    2. ケーブルの扱い方(有線の場合)
    3. 充電ケースのお手入れ(ワイヤレスの場合)
    4. 保管場所の注意点
  7. イヤホンのエージング(慣らし運転)って必要?
  8. よくある質問 Q&A
      1. Q1. 有線とワイヤレス、結局どっちがいいの?
      2. Q2. 高いイヤホンと安いイヤホンの違いって何?
      3. Q3. 完全ワイヤレスイヤホンは、片耳だけでも使える?
      4. Q4. 防水イヤホンなら、お風呂で使っても大丈夫?
  9. まとめ:自分だけの最高の音楽体験を見つけよう

イヤホンの基本!まずは種類を知ろう

イヤホンと一括りに言っても、その形や仕組みは様々です。まずは、どんな種類があるのかを大きく分けて見ていきましょう。自分はどんなタイプが合っているのか、想像しながら読み進めてみてくださいね。

形状による分類

耳への装着方法、つまり「形」によって、イヤホンは大きくいくつかのタイプに分けられます。それぞれに装着感や音の聞こえ方が違うので、一番基本的な分類と言えるでしょう。

カナル型(耳栓型)

現在、最も主流なのがこのカナル型です。イヤーピースと呼ばれるシリコンやウレタンフォーム製のパーツを、耳の穴(外耳道)に挿入して使います。耳栓のようにグッと押し込むようなイメージですね。

メリットは、耳にしっかりとフィットするため、遮音性が高いことです。周りの騒音が聞こえにくくなるので、電車の中やカフェなど、騒がしい場所でも音楽に集中しやすいのが特徴です。また、音が鼓膜の近くで鳴るため、繊細な音や重低音を感じやすい傾向にあります。イヤーピースのサイズや素材を変えることで、装着感を自分好みに調整できるのも嬉しいポイントです。

一方で、デメリットとしては、耳を密閉するため、長時間の使用で圧迫感や疲れを感じる人もいます。また、歩行中などに使うと、自分の足音やケーブルが服に擦れる音(タッチノイズ)が響きやすいという側面もあります。

インナーイヤー型(開放型)

耳の穴の入り口あたりに、軽く引っ掛けるようにして装着するのがインナーイヤー型です。昔ながらのイヤホンと言えば、この形を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

メリットは、その開放的な装着感です。耳を完全に塞がないため、圧迫感が少なく、長時間つけていても疲れにくいのが特徴。周りの音も自然に聞こえるので、駅のアナウンスを聞き逃したくない場合や、家で家事をしながらBGMとして音楽を楽しみたい、といったシーンに向いています。

デメリットは、カナル型に比べて遮音性が低く、音漏れしやすいことです。電車内など静かな場所でボリュームを上げすぎると、周りの人に迷惑をかけてしまう可能性があるので注意が必要です。また、耳の形によってはフィットしにくく、ポロっと落ちやすいと感じる人もいます。

耳掛け型

その名の通り、フック状のパーツを耳に掛けて固定するタイプのイヤホンです。スポーツ選手が使っているのをよく見かけますね。カナル型と組み合わせたものが多いです。

メリットは、なんといってもその外れにくさ。耳にしっかり固定されるため、ランニングやジムでのトレーニングなど、激しい動きを伴うシーンでも安心して使えます。ケーブルが服に擦れて発生するタッチノイズも、耳掛け部分で吸収されるため、比較的少ないのも利点です。

デメリットとしては、メガネやマスクを使っている場合、耳周りが少し窮屈に感じられることがある点です。また、毎回耳に掛けるという一手間が必要になるため、手軽さの面では他のタイプに一歩譲るかもしれません。

骨伝導イヤホン

ここ数年で一気に知名度が上がったのが、この骨伝導イヤホンです。耳の穴を塞がず、こめかみ付近の骨に振動を伝えることで、音を聴神経に直接届けます。まさに、次世代の聴き方と言えるかもしれません。

最大のメリットは、耳を全く塞がないこと。音楽を聴きながらでも、周りの環境音(車の音や人の声など)をはっきりと聞くことができるため、屋外でのランニングやサイクリング、ウォーキングなどで安全を確保したい場合に非常に有効です。また、耳の穴への圧迫感や蒸れが一切ないため、快適性も高いです。

デメリットは、その仕組み上、音質、特に重低音の表現が従来のイヤホンに比べて劣る傾向にあることです。また、音量を上げすぎると、振動がくすぐったく感じたり、周りの人にもシャカシャカとした音が聞こえてしまったりすることがあります。純粋に高音質で音楽に没入したい、という目的にはあまり向かないかもしれません。

接続方法による分類

イヤホンと、スマートフォンや音楽プレイヤーなどの再生機器をどうやって繋ぐか。この接続方法によっても、使い勝手が大きく変わってきます。

有線イヤホン

昔ながらの、ケーブルで直接機器に接続するタイプです。イヤホンジャックに差し込むだけ、というシンプルさが魅力です。

  • 音の遅延がほぼない:映像と音がズレることがないので、動画視聴やゲームに最適です。
  • 高音質:音声データを圧縮せずに(あるいは圧縮率を低くして)伝送できるため、音質の劣化が少ないです。
  • 充電が不要:バッテリー切れの心配が一切ありません。いつでも好きな時に使えます。
  • 比較的安価:同程度の音質であれば、ワイヤレスに比べて安価な傾向にあります。

もちろん弱点もあります。一番はケーブルの存在です。満員電車で他の人に引っかかったり、カバンの中で絡まったり、歩いている時に服と擦れる音が気になったり…。このケーブルの煩わしさから解放されたくて、ワイヤレスに移行する人が多いのも事実です。

完全ワイヤレスイヤホン(TWS)

TWS(True Wireless Stereo)とも呼ばれ、今や市場の主役となっているのがこのタイプ。左右のイヤホンが完全に独立しており、ケーブルが一切ありません。

  • 圧倒的な開放感:ケーブルの煩わしさから完全に解放されます。通勤、スポーツ、家事など、どんなシーンでもストレスフリーです。
  • コンパクト:充電ケースに入れて持ち運べるため、非常にコンパクトです。ポケットに入れて気軽に持ち出せます。

一方で、デメリットも理解しておく必要があります。まず、充電が必須であること。本体だけでなく、充電ケースの充電も忘れてはいけません。また、左右が独立しているため、片方だけ紛失するリスクがあります。さらに、製品によっては動画視聴やゲームで音の遅延が気になる場合もあります。

左右一体型ワイヤレスイヤホン

左右のイヤホンが一本のネックバンドやケーブルで繋がっている、ワイヤレスイヤホンです。完全ワイヤレスが登場する前は、ワイヤレスと言えばこのタイプが主流でした。

  • 紛失しにくい:左右が繋がっているので、片方だけ落として無くす心配がありません。使わない時は首に掛けておけるので、置き場所にも困りません。
  • バッテリー持ちが良い傾向:ネックバンド部分に比較的大きなバッテリーを搭載できるため、完全ワイヤレスよりも再生時間が長い製品が多いです。
  • 操作性が良い:ネックバンド部分に物理ボタンが付いていることが多く、手元を見なくても直感的に操作しやすいです。

デメリットは、完全ワイヤレスと比べると、首元にケーブルがあるため若干の煩わしさを感じる点です。特に、襟のある服を着ている時や、運動時に揺れが気になることもあります。

種類 メリット デメリット
有線イヤホン 音が遅延しない、高音質、充電不要 ケーブルが邪魔、断線のリスク
完全ワイヤレスイヤホン ケーブルレスで快適、コンパクト 充電必須、紛失のリスク、音の遅延
左右一体型ワイヤレス 紛失しにくい、バッテリー持ちが良い 首元のケーブルが気になることがある

音質の決め手!ドライバーユニットって何?

イヤホンのスペックを見ていると、必ず出てくる「ドライバーユニット」という言葉。なんだか難しそうですが、これはイヤホンの心臓部とも言える、音を鳴らすための最も重要なパーツです。車のエンジンみたいなものだと考えてください。このドライバーの種類や性能が、イヤホンの音質やキャラクターを大きく左右するのです。

ダイナミックドライバー(DD)

最も広く使われている、最もポピュラーなドライバーです。スピーカーをそのまま小さくしたような構造で、磁石とコイル、そして振動板(ダイヤフラム)で構成されています。コイルに電気信号が流れると、振動板が前後に震えて空気を振動させ、それが音となって私たちの耳に届きます。

特徴は、パワフルで迫力のある低音域を鳴らすのが得意なことです。構造がシンプルでコストも比較的安いため、安価なイヤホンから高級機まで、幅広く採用されています。ロックやEDM、ヒップホップなど、ビートの効いた音楽を楽しみたい方には特におすすめのタイプと言えるでしょう。

一方で、繊細な高音域の表現は、後述するバランスド・アーマチュア型に一歩譲る傾向があります。もちろん、技術の進歩によって、高音域まで美しく鳴らす高性能なダイナミックドライバーもたくさん存在します。

バランスド・アーマチュア(BA)ドライバー

元々は補聴器用に開発された、非常に小型で高性能なドライバーです。ダイナミック型とは全く異なる構造で、アーマチュア(U字型の鉄片)と呼ばれる小さなパーツを磁石の間で振動させ、その振動をピンを通じて振動板に伝えることで音を出します。

特徴は、なんといってもその高解像度でクリアな中高音域です。ボーカルの息遣いや、ギターの弦を弾く繊細なニュアンス、シンバルのきらびやかな響きなどを、非常によく再現してくれます。ダイナミック型に比べて感度が高く、小さな音のディテールまで拾い上げてくれるのが魅力です。

弱点としては、構造上、パワフルな低音域を出すのが苦手な傾向にあります。そのため、BAドライバーを複数搭載し、それぞれに低音域用、中音域用、高音域用と役割分担をさせることで、この弱点を克服している高級イヤホンも多く存在します。構造が複雑で製造コストも高いため、BAドライバー搭載のイヤホンは比較的高価になることが多いです。

ハイブリッド型

「じゃあ、それぞれの良いとこ取りをしちゃおう!」という発想から生まれたのが、このハイブリッド型です。パワフルな低音が得意なダイナミックドライバーと、繊細な中高音が得意なバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーの両方を搭載しています。

これにより、迫力のある低音から、クリアで伸びやかな高音まで、幅広い音域をバランス良く鳴らすことが可能になります。まさに、いいとこ取りの万能タイプ。ロックからクラシック、ジャズまで、どんなジャンルの音楽も高いレベルで楽しみたい、という欲張りな方にはピッタリかもしれません。

もちろん、異なる種類のドライバーを組み合わせるには高度な音響設計(チューニング)技術が必要になるため、ハイブリッド型のイヤホンは、一般的に中価格帯以上のモデルが多くなります。

その他のドライバー

数は少ないですが、他にも特殊なドライバーが存在します。

  • 平面駆動型ドライバー:非常に薄い膜(振動板)に音声信号のコイルパターンをプリントし、それを強力な磁石で挟み込む構造です。振動板全体が均一に動くため、歪みが少なく、極めて正確で繊細なサウンドを奏でます。ヘッドホンで採用されることが多いですが、最近ではイヤホンにも搭載され始めています。
  • 静電型ドライバー:静電気の力を利用して、極薄の振動板を駆動させる方式です。反応速度が非常に速く、他の方式では再現不可能なほどの超高解像度サウンドが特徴ですが、駆動させるために専用のアンプが必要になるなど、非常に高価でマニアックな存在です。

最初は「低音好きならダイナミック、高音好きならBA、万能なのがハイブリッド」くらいのイメージで覚えておくと、イヤホン選びの際の一つの指針になりますよ。

スペック表を読み解く!専門用語を徹底解説

イヤホンの製品ページやパッケージを見ると、必ずと言っていいほど「スペック表」があります。HzだのΩだの、よくわからないカタカナや記号が並んでいて、つい読み飛ばしてしまっていませんか?でも、ご安心を。それぞれの意味さえ分かれば、それはイヤホンの性能を客観的に知るための、とても便利な情報源になるんです。ここでは、特に重要な項目をピックアップして、分かりやすく解説します!

ハイレゾ音源とは?

最近よく聞く「ハイレゾ(High-Resolution Audio)」という言葉。これは、CDを超える情報量を持つ高音質な音源データのことです。CDの音質が「16bit/44.1kHz」なのに対し、ハイレゾは「24bit/96kHz」や「24bit/192kHz」といった、より細かく、より多くの音の情報を記録しています。

例えるなら、画素数の少ない写真と、高画素な写真の違いのようなもの。ハイレゾ音源は、CDではカットされてしまっていた微細な音のニュアンスや空気感、臨場感までをも再現できる可能性があります。

イヤホンにおける「ハイレゾ対応」とは、このハイレゾ音源が持つ広い周波数帯域を再生できる性能がある、という証です。一般社団法人日本オーディオ協会が定義する、高域40kHz以上の再生性能を持つイヤホンに、「Hi-Res AUDIO」というロゴマークの表示が許可されています。ただし、ハイレゾの音質を最大限に楽しむためには、ハイレゾ対応のイヤホンだけでなく、ハイレゾ音源そのものと、ハイレゾ対応の再生機器(プレイヤーやスマートフォンなど)の3つが揃う必要があることを覚えておきましょう。

コーデック(SBC, AAC, aptX, LDACなど)

ワイヤレスイヤホンを選ぶ上で、非常に重要なのがこのコーデックです。コーデックとは、Bluetoothで音声を伝送する際の「音声圧縮方式」のルールのこと。ワイヤレスで送れるデータ量には限りがあるため、一度音声を圧縮し、イヤホン側で元に戻すという作業を行っています。この圧縮の仕方によって、音質や遅延の度合いが変わってくるのです。

  1. SBC (Subband Codec):これは、Bluetooth対応のオーディオ機器なら必ず対応している標準的なコーデックです。いわば共通語のようなもの。とりあえず音は出ますが、圧縮率が高めなので、他の高音質コーデックに比べると音質は劣ると言われています。また、遅延も比較的大きめです。
  2. AAC (Advanced Audio Coding):主にiPhoneやiPadなど、Apple製品で使われているコーデックです。SBCよりも高音質で、遅延も少なめ。Android端末でも対応しているものはありますが、OSのバージョンや機種によって音質が安定しない場合もあるようです。iPhoneユーザーなら、イヤホンがAACに対応しているかは必ずチェックしたいポイントです。
  3. aptX (アプトエックス):Androidスマートフォンで広く採用されているコーデックファミリーです。CD音質に近いと言われる「aptX」、より高音質でハイレゾ相当のデータを伝送できる「aptX HD」、音の遅延を非常に少なくした「aptX LL (Low Latency)」「aptX Adaptive」など、様々な種類があります。Androidユーザーで、高音質や低遅延を求めるなら、このaptX系に対応しているイヤホンを選ぶのがおすすめです。
  4. LDAC (エルダック):ソニーが開発した、ハイレゾ音源をハイレゾ相当の音質のまま伝送できるとされている高音質コーデックです。伝送できるデータ量が非常に多く、他のコーデックとは一線を画す情報量を誇ります。XperiaなどのAndroidスマートフォンの一部で採用されています。最高の音質をワイヤレスで楽しみたい、という方には注目のコーデックです。

重要なのは、再生機器(スマホなど)とイヤホンの両方が同じコーデックに対応していないと、そのコーデックの恩恵は受けられないということです。例えば、iPhone(AAC対応)にLDAC対応のイヤホンを接続しても、結局はAACか、最悪SBCで接続されてしまいます。自分の持っている機器がどのコーデックに対応しているかを確認した上で、イヤホンを選ぶことが大切です。

インピーダンス(Ω)

インピーダンスは、イヤホンの「電気抵抗」の値を示すもので、単位は「Ω(オーム)」です。この数値が低いほど、少ない電力で音を鳴らしやすく高いほど、音を鳴らすのにより多くの電力が必要になります。

スマートフォンやポータブル音楽プレイヤーで直接使うことを想定した一般的なイヤホンは、16Ωや32Ωなど、低めの数値に設定されていることが多いです。これにより、出力の弱い機器でも十分な音量を得ることができます。

一方で、64Ωや250Ωといった高いインピーダンスを持つイヤホンもあります。これらは主に、プロの音楽制作現場や、本格的なオーディオ環境で使われることを想定しています。高インピーダンスのイヤホンは、ノイズが乗りにくく、よりクリアで繊細な音を再生できる傾向がありますが、その性能を最大限に引き出すためには、「ヘッドホンアンプ」のような、パワフルな出力を持つ専用機器が必要になります。普段使いで選ぶ分には、あまり気にしすぎる必要はありませんが、豆知識として知っておくと面白いかもしれません。

感度(dB)

感度は、イヤホンに1mW(ミリワット)の電気信号を入力した際に、どれくらいの大きさの音(音圧)が出るかを示した数値で、単位は「dB(デシベル)」です。ざっくり言えば、イヤホンの「音量の取りやすさ」を表しています。この数値が大きいほど、同じボリューム設定でもより大きな音が出ます

例えば、同じプレイヤーで同じボリューム設定で聴いた場合、感度110dBのイヤホンは、感度100dBのイヤホンよりも大きな音に聞こえます。普段、プレイヤーのボリュームをあまり上げずに聴く方や、出力の弱い機器を使っている方は、感度が高めのイヤホンを選ぶと、音量不足に悩まされることが少なくなるでしょう。

ただし、感度が高すぎると、プレイヤー側が発する「サー」という微小なホワイトノイズまで拾いやすくなる場合もあります。インピーダンスと感度のバランスも、音の聞こえ方に影響を与える要素の一つです。

再生周波数帯域(Hz)

再生周波数帯域は、そのイヤホンが再生できる音の高さの範囲を「Hz(ヘルツ)」という単位で示したものです。「20Hz – 20,000Hz」のように表記されます。

前の数字が再生できる低い音(低音)の下限、後ろの数字が再生できる高い音(高音)の上限を表します。人間の耳が聞き取れる音の範囲(可聴域)は、個人差はありますが、一般的に20Hzから20,000Hzと言われています。そのため、多くのイヤホンはこの範囲をカバーするように作られています。

先述した「ハイレゾ対応」のイヤホンは、この高音域の上限が40,000Hz (40kHz) 以上となっており、人間には直接聞こえないとされる超高音域まで再生できる性能を持っています。この超高音域が、可聴域の音のリアルさや空気感に影響を与える、と考えられています。

ただし、この数値はあくまで「再生可能」な範囲を示すものであり、その範囲の音をどれだけ忠実に、良い音質で鳴らせるかを示すものではありません。数値が広ければ広いほど高音質、というわけではないので、あくまで参考程度に見ておくのが良いでしょう。

防水・防滴性能(IPX)

スポーツやアウトドアでイヤホンを使いたい方にとって、非常に重要なのがこの防水・防滴性能です。この性能は「IPコード」という規格で示されることが多く、「IPX4」や「IP57」のように表記されます。

「IP」に続く最初の数字は「防塵等級(固形物に対する保護)」を、2番目の数字が「防水等級(水の侵入に対する保護)」を表します。イヤホンの場合は防水性能が重視されるため、防塵性能を省略して「IPX◯」と表記されることがよくあります。この後ろの数字が、防水性能のレベルを示しています。

  • IPX4:「あらゆる方向からの飛沫(しぶき)を受けても影響がない」レベル。小雨や汗程度なら問題なく使えるので、ランニングやジムでの使用には、最低でもこのIPX4以上が欲しいところです。
  • IPX5:「あらゆる方向からの噴流水(ジェット水流)を受けても影響がない」レベル。汚れた時に、軽く水で洗い流すことができます。
  • IPX7:「一時的に一定の水深(1m)に30分間水没しても影響がない」レベル。お風呂で使ったり、万が一水の中に落としてしまったりしても、すぐに拾い上げれば大丈夫な可能性が高いです。

ただし、これらはあくまで真水でのテスト結果です。お風呂で使う場合、入浴剤や石鹸、シャンプーなどが付着すると故障の原因になる可能性があります。また、IPX7であっても、水中での音楽再生を保証するものではありません(Bluetoothの電波は水中では届きにくいため)。自分の使いたいシーンに合わせて、適切な防水等級のものを選びましょう。

もっと快適に!便利な機能を知っておこう

最近のイヤホン、特にワイヤレスイヤホンは、ただ音楽を聴くだけでなく、私たちの生活をより快適にしてくれる様々な便利機能が搭載されています。どんな機能があるのかを知っておけば、あなたのライフスタイルに本当にマッチした一台を見つけやすくなりますよ。

ノイズキャンセリング機能

今やイヤホンの人気機能を代表する存在となったのが、この「ノイズキャンセリング」です。周りの騒音を打ち消して、静かな環境で音楽やコンテンツに集中できるようにしてくれます。これには大きく分けて2つの方式があります。

アクティブノイズキャンセリング(ANC)

一般的に「ノイキャン」と言えば、このアクティブノイズキャンセリング(ANC)を指します。イヤホンに搭載されたマイクで周囲の騒音を拾い、その騒音とは逆の位相(波形)の音をイヤホン内部で作り出してぶつけることで、音を打ち消すというハイテクな技術です。

電車やバスの「ゴーッ」という低い走行音、エアコンの「ブーン」という動作音など、持続的に続く環境騒音に対して特に高い効果を発揮します。一度この静寂を体験すると、もうノイキャン無しのイヤホンには戻れない、という人も多いほど。通勤・通学やカフェでの勉強・仕事など、騒がしい環境で集中したい人にとっては、まさに救世主のような機能です。

ただし、人の話し声や突然の物音など、不規則な音は完全に消すのが難しい場合もあります。また、ANC機能を使うとバッテリーの消費が早くなるという側面もあります。

パッシブノイズキャンセリング

こちらは、特別な電子回路を使わず、イヤホン自体の構造で物理的に騒音を遮断する方式です。先述したカナル型イヤホンが持つ、耳栓のような遮音性がこれにあたります。耳にしっかりとフィットさせることで、外部からの音の侵入を防ぎます。パッシブ(Passive)は「受動的」という意味で、アクティブ(Active)の対義語ですね。

遮音性の高いイヤーピースを選んだり、自分の耳にぴったり合うイヤホンを選んだりすることで、このパッシブノイズキャンセリング性能を高めることができます。ANCほどの強力な効果はありませんが、バッテリーを消費せず、どんなイヤホンにも備わっている基本的な遮音性能と言えます。

外音取り込み機能(アンビエントサウンド)

ノイズキャンセリングとは逆に、イヤホンを装着したままでも周りの音を聞き取りやすくするのが、この「外音取り込み機能」です。メーカーによって「アンビエントサウンドモード」や「ヒアスルー」など、様々な呼び方があります。

イヤホンに搭載されたマイクで周囲の音を拾い、それを音楽と一緒に再生してくれる、という仕組みです。この機能を使えば、コンビニでのお会計の際に店員さんと会話したり、駅で電車のアナウンスを聞いたりする時に、いちいちイヤホンを外す必要がありません

特に、遮音性の高いカナル型イヤホンを使っている場合に非常に便利な機能です。音楽に没入したい時はノイズキャンセリングをオンに、周りの状況を把握したい時は外音取り込みをオンに、とワンタッチで切り替えられる製品が多く、イヤホンをより安全で快適に使うための必須機能となりつつあります。

マルチポイント接続

これは、2台の機器に同時にBluetooth接続できるという、地味ながら非常に便利な機能です。例えば、会社のPCでオンライン会議をしながら、自分のスマートフォンにも接続しておく、といった使い方ができます。

PCで音楽を聴いている最中に、スマホに電話がかかってきても、イヤホンを付け替えることなく、シームレスに通話に出ることができます。通話が終われば、また自動的にPCの音楽再生に戻ります。

プライベート用のスマホと仕事用のスマホの2台持ちをしている方や、タブレットで動画を見ながらスマホの着信も逃したくない、という方にとっては、日々の小さなストレスを解消してくれる、かゆい所に手が届く機能と言えるでしょう。

マイク性能と通話品質

イヤホンは音楽を聴くだけでなく、ハンズフリー通話やオンライン会議でマイクを使う機会も非常に増えました。そのため、マイクの性能もイヤホン選びの重要なポイントになっています。

ただマイクが付いているだけでなく、自分の声だけをクリアに拾い、周りの騒音はカットしてくれるようなノイズリダクション技術が搭載されているかどうかが重要です。風の強い屋外や、騒がしいカフェなどでも、相手にクリアな音声を届けられるかどうか。製品によっては、複数のマイクを使って声の方向を特定する「ビームフォーミング技術」や、AIを使って環境音と人の声を分離する高度な技術を搭載したものもあります。

通話や会議での使用頻度が高い方は、マイク性能に関するレビューなどを参考にしてみるのも一つの手です。自分の声が相手にどう聞こえるかは、円滑なコミュニケーションのためにとても大切ですよね。

操作方法(タッチセンサー、物理ボタン)

イヤホン本体で行う、再生・停止、曲送り・曲戻し、音量調整、電話の応答といった操作の方法もチェックしておきたいポイントです。大きく分けて、タッチセンサー式物理ボタン式の2種類があります。

  • タッチセンサー式:イヤホンのハウジング(本体の側面)を指で軽くタップしたり、なぞったりして操作します。見た目がスッキリしていて、デザイン性が高いのが特徴です。軽い力で操作できる反面、意図せず触れてしまって誤操作したり、手袋をしていると反応しなかったりすることもあります。
  • 物理ボタン式:カチッというクリック感のあるボタンで操作します。操作した感覚が指に伝わるため、確実な操作ができます。誤操作が少なく、手袋をしたままでも操作しやすいのがメリットです。一方で、ボタンを押し込む際にイヤホンが耳の奥に押し込まれるような感覚が気になる、という人もいます。

どちらが良いかは完全に好みの問題です。自分がどちらの操作方法を快適に感じるか、イメージしてみると良いでしょう。

専用アプリとの連携

最近の多くのワイヤレスイヤホンは、スマートフォン用の専用アプリが用意されています。このアプリを使うことで、イヤホンの真価をさらに引き出すことができます。

アプリでできることの代表例は以下の通りです。

  • イコライザー(EQ)調整:音質を自分好みにカスタマイズできます。「低音をもう少し強くしたい」「ボーカルをクリアに聞きたい」といった要望に合わせて、特定の周波数帯域を強調したり、弱めたりすることができます。
  • 操作のカスタマイズ:タッチセンサーやボタンの操作割り当てを変更できます。「右のダブルタップは曲送り、左はノイキャン切り替え」のように、自分が使いやすいように設定できます。
  • ノイズキャンセリング/外音取り込みのレベル調整:ノイズキャンセリングの効き具合や、外音をどれくらい取り込むかを、段階的に調整できる製品もあります。
  • ファームウェアのアップデート:イヤホン本体のソフトウェアを最新の状態にアップデートできます。これにより、新しい機能が追加されたり、不具合が修正されたりすることがあります。

専用アプリの有無や、その機能の充実度も、イヤホンの使い勝手を大きく左右する要素の一つです。

あなたにピッタリのイヤホンを見つけるための選び方

さて、ここまでイヤホンの種類やスペック、機能について詳しく見てきました。たくさんの知識をインプットしたところで、いよいよ実践編です。膨大な選択肢の中から、どうやって自分にとっての「運命の一台」を見つけ出すか。そのための具体的な考え方を、いくつかのステップに分けてご紹介します。

利用シーンから考える

まず最初に考えるべきは、「あなたが、いつ、どこで、どんな風にイヤホンを使いたいか」ということです。ライフスタイルによって、イヤホンに求められる性能は全く異なってきます。

通勤・通学で使うなら

多くの人がイヤホンを使うのが、この通勤・通学シーンではないでしょうか。電車やバスの中は、走行音や人の話し声など、様々な騒音で満ちています。

  • ノイズキャンセリング機能:騒音をカットして、音楽やポッドキャストに集中したり、静かな環境で少しでもリラックスしたりするためには、強力なアクティブノイズキャンセリング機能があると非常に快適です。
  • 外音取り込み機能:乗り換えのアナウンスを聞き逃さないためにも、外音取り込み機能は必須と言えるでしょう。ワンタッチで切り替えられると便利です。
  • 接続の安定性:人混みの中ではBluetoothの電波が干渉しやすく、音が途切れやすくなることがあります。接続の安定性が高いと評判のモデルを選ぶとストレスが減ります。
  • コンパクトさ:持ち運びやすさを考えると、充電ケースがコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンがやはり便利です。

スポーツ・運動で使うなら

ランニングやジムでのトレーニング中に音楽を聴くと、気分が上がってパフォーマンスも向上する気がしますよね。そんなアクティブなシーンでは、快適さと安全性が重要になります。

  • 装着安定性(フィット感):走ったり、体を大きく動かしたりしても外れないことが絶対条件です。耳にしっかり固定できる耳掛け型や、フィン(イヤーフック)が付いているスポーツタイプのモデルが適しています。
  • 防水・防滴性能:汗をかくのはもちろん、突然の雨に見舞われる可能性も考えると、IPX4以上の防水性能は欲しいところです。
  • 安全性(外音の聞こえやすさ):屋外でのランニングの場合、車の接近音や周りの状況を把握できることが安全のために非常に重要です。耳を塞がない骨伝導イヤホンや、外音取り込み機能が優秀なイヤホンが選択肢になります。

自宅でじっくり音楽鑑賞するなら

誰にも邪魔されない空間で、好きな音楽の世界にどっぷりと浸かりたい。そんな時は、使い勝手よりも「音質」を最優先に考えたいですよね。

  • 音質重視の設計:ドライバーの種類(ハイブリッド型など)や、音響設計にこだわったモデルを選びたいところです。
  • 有線イヤホンという選択肢:音の遅延や劣化が少ない有線イヤホンは、ピュアな音質を求めるなら今でも非常に有力な選択肢です。ヘッドホンアンプを導入して、本格的なオーディオ環境を構築するのも一興です。
  • 開放的な装着感:長時間のリスニングでも聴き疲れしにくい、装着感の良いモデルを選びましょう。インナーイヤー型や、耳を覆うタイプのヘッドホンも良いかもしれません。

オンライン会議・通話で使うなら

リモートワークの普及により、イヤホンを通話に使う機会も格段に増えました。この場合、自分が聞く音質だけでなく、相手に届ける声の質も大切です。

  • マイク性能:自分の声をクリアに拾い、周囲の雑音をカットしてくれる、高性能なマイクを搭載したモデルが必須です。複数のマイクやノイズリダクション技術の有無をチェックしましょう。
  • マルチポイント接続:PCとスマホに同時接続できるマルチポイント機能があれば、機器の切り替えがスムーズになり、非常に便利です。
  • 片耳での使用:長時間装着する場合や、周りの音も聞きながら通話したい場合に、片方のイヤホンだけで使用できる(モノラル再生に対応している)と便利です。

音の好みから考える

どんなに高機能でも、出てくる音の傾向が自分の好みと合っていなければ、満足のいく音楽体験は得られません。自分がどんなサウンドが好きかを考えてみましょう。

低音重視(迫力のあるサウンドが好き)

ロックのバスドラムの「ドンドン」という響きや、EDMの「ズンズン」と沈み込むようなベースラインが好きなら、あなたは低音重視派です。

  • ドライバー:パワフルな低音が得意なダイナミックドライバー(DD)を搭載したモデルがおすすめです。大口径のドライバーを搭載しているものは、より量感のある低音を鳴らす傾向があります。
  • 形状:耳をしっかり密閉し、音圧を感じやすいカナル型が向いています。

中高音重視(ボーカルや楽器の音が聴きやすい)

女性ボーカルの透き通るような声や、ピアノやバイオリンの繊細な音色、アコースティックギターのきらびやかな響きを楽しみたいなら、中高音重視派です。

  • ドライバー:解像度が高く、クリアな中高音域の表現が得意なバランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載したモデルが良いでしょう。
  • イコライザー:専用アプリでイコライザー調整ができるモデルなら、中高音域を少し持ち上げて、より好みのサウンドに近づけることができます。

バランス重視(フラットな音が好き)

特定の音域が強調されることなく、アーティストが意図したであろう音のバランスを、なるべく忠実に再現したい。そんなあなたはバランス重視派です。

  • ドライバー:低音から高音までバランス良く鳴らせるハイブリッド型や、音響設計に定評のあるメーカーのダイナミックドライバー搭載機などが候補になります。
  • レビューの確認:「モニターライク」「フラットな音質」といった評価をされているモデルを探してみるのも一つの方法です。

装着感とフィット感の重要性

見落とされがちですが、イヤホンの装着感は音質と同じくらい、あるいはそれ以上に重要です。どんなに音が良くても、すぐに耳が痛くなったり、ポロポロ落ちてしまったりするようでは、使う気になれませんよね。

イヤーピースの種類と選び方

特にカナル型イヤホンにおいて、装着感と音質を大きく左右するのがイヤーピースです。イヤホンに付属しているものだけでなく、別売りのイヤーピースに交換することで、劇的に改善されることもあります。

  • シリコンタイプ:最も一般的で、多くのイヤホンに付属しています。耐久性が高く、水洗いもできるので衛生的です。様々な形状や硬さのものがあり、傘の部分が二層、三層になった「ダブルフランジ」「トリプルフランジ」といったタイプもあります。
  • ウレタンフォームタイプ:低反発枕のような素材でできており、指で軽く潰してから耳に入れると、体温でゆっくりと膨らんで耳の穴にぴったりフィットします。遮音性と密閉性が非常に高く、低音域が豊かになる傾向があります。シリコンに比べて耐久性は劣ります。

自分の耳に合ったサイズ、素材のイヤーピースを見つけることは、イヤホン選びの最終仕上げとも言えます。左右で耳の穴の大きさが違う人も珍しくないので、片方ずつ違うサイズのイヤーピースを試してみるのもおすすめです。

自分の耳に合うかどうかの確認方法

こればっかりは、実際に試してみるのが一番です。可能であれば、家電量販店などで試着用のモデルを装着させてもらいましょう。その際に、少し首を振ってみたり、下を向いたりして、簡単に落ちないかを確認します。数分間つけたままにして、耳に痛みや違和感が出ないかもチェックしたいポイントです。

予算から考える

最後に、現実的な問題として予算があります。イヤホンの価格は数千円のものから、数十万円もする超高級機まで、本当に様々です。最初に「自分はイヤホンにいくらまで出せるか」という上限を決めておくと、選択肢を絞り込みやすくなります。

一般的に、価格が上がるにつれて、音質(ドライバー性能やチューニング技術)、機能(高性能なANCやマイク)、質感(使われている素材)などが向上していく傾向にあります。しかし、必ずしも「高ければ高いほど良い」というわけではありません。数千円のイヤホンでも、自分の好みにドンピシャな「当たり」のモデルは存在しますし、逆に高級機でも、自分の耳や好みに合わなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

大切なのは、自分がどの機能や性能を重視するのか、優先順位をはっきりさせることです。「音質は何よりも優先したい」「いや、とにかくノイキャンが強力なのがいい」「通話品質が一番大事」といったように、自分のこだわりポイントを明確にすれば、限られた予算の中でも、満足度の高い選択ができるはずです。

イヤホンを長持ちさせる!お手入れと保管方法

お気に入りのイヤホンを見つけたら、できるだけ長く、良い状態で使いたいですよね。イヤホンは精密機器であり、皮脂や耳垢、湿気などが故障の原因になることも少なくありません。日々のちょっとしたお手入れと、正しい保管方法を心がけるだけで、イヤホンの寿命は大きく変わってきますよ。

基本的なクリーニング方法

定期的に、イヤホンを優しく掃除してあげましょう。頻度は、週に1回程度が目安です。

  1. 本体(ハウジング)を拭く:乾いた柔らかい布(マイクロファイバークロスなど)で、イヤホン本体の指紋や皮脂汚れを優しく拭き取ります。汚れがひどい場合は、布を硬く絞って水拭きし、その後必ず乾拭きしてください。アルコールティッシュなどは、素材によっては変色や劣化の原因になる可能性があるので、使用する場合は目立たないところで試してからにしましょう。
  2. イヤーピースを掃除する:カナル型の場合は、イヤーピースを本体から取り外します。シリコン製なら、水洗いや、中性洗剤を薄めたぬるま湯で洗うのが効果的です。細かい部分の汚れは、綿棒やつまようじの先で優しく取り除きましょう。洗浄後は、完全に乾かしてから本体に戻します。ウレタンフォーム製は水洗いに弱いので、乾いた布で拭くか、優しくホコリを払う程度に留めましょう。
  3. 音の出口(ノズル)を掃除する:イヤーピースを外すと、音が出てくるノズル部分が見えます。ここに耳垢などが詰まると、音がこもったり、小さくなったりする原因になります。乾いた歯ブラシや専用のブラシなどで、優しく撫でるようにしてゴミをかき出します。この時、ゴミを内部に押し込んでしまわないように注意してください。

ケーブルの扱い方(有線の場合)

有線イヤホンの故障原因で最も多いのが「断線」です。ケーブルの扱いは丁寧に。

  • 強く引っ張らない、折り曲げない:特に、プラグの根元や、イヤホン本体との接続部分は断線しやすいポイントです。抜き差しする際は、必ずプラグ本体を持つようにしましょう。
  • 巻き取り方に注意する:プレイヤーにきつく巻きつけたり、きつく縛ったりするのはNGです。指3〜4本に緩く巻きつける「8の字巻き」などが、ケーブルに負担をかけにくい方法として知られています。
  • ケースに保管する:持ち運ぶ際は、付属のポーチや、別売りのセミハードケースなどに入れて保護しましょう。カバンの中に直接放り込むと、他の荷物と絡まったり、圧迫されたりして断線の原因になります。

充電ケースのお手入れ(ワイヤレスの場合)

完全ワイヤレスイヤホンは、充電ケースも大切な相棒です。ケース内部の充電端子も、定期的にチェックしましょう。

  • 端子の清掃:ケース内部の、イヤホンと接触する金属の端子部分にホコリや汚れが付着すると、充電不良の原因になります。乾いた綿棒などで、優しく拭き取ってあげましょう。
  • ケース本体の清掃:ケースの外側も、イヤホン本体と同様に、乾いた柔らかい布で拭いてきれいに保ちましょう。

保管場所の注意点

イヤホンは精密な電子機器です。保管場所にも少し気を配ってあげましょう。

  • 高温多湿を避ける:夏の車内や、直射日光が当たる場所、浴室の近くなどに放置するのは避けましょう。バッテリーの劣化や、内部回路の故障に繋がります。
  • 磁気の強いものの近くを避ける:強力な磁石などの近くに置くと、ドライバーユニットに影響を与え、音質が変化したり、故障したりする可能性があります。

少しの手間をかけるだけで、愛用のイヤホンはきっと長くあなたの音楽ライフに寄り添ってくれますよ。

イヤホンのエージング(慣らし運転)って必要?

イヤホンやオーディオの世界に少し足を踏み入れると、「エージング」という言葉を耳にすることがあります。これは、新品のイヤホンを一定時間鳴らし続けることで、音質が安定し、本来の性能を発揮できるようになる、という考え方です。車やバイクの「慣らし運転」のようなものですね。

具体的には、音楽を数十時間から、長いものだと百時間以上再生し続けることを指します。エージングを行うことで、「硬さが取れて音が滑らかになった」「低音の響きが豊かになった」「高音の伸びが良くなった」といった変化を感じる、という声が多く聞かれます。

この音質変化の主な理由として挙げられるのが、ドライバーユニットの振動板の変化です。特にダイナミックドライバーの場合、新品の状態ではまだ硬い振動板が、音楽信号によって繰り返し動かされることで、徐々に柔軟になり、設計どおりの動きをしやすくなる、という理屈です。これにより、よりスムーズで歪みの少ない音が出るようになると考えられています。

一方で、このエージングの効果については、科学的な根拠が明確に示されているわけではなく、懐疑的な意見も存在します。「音の変化は、物理的な変化ではなく、単にそのイヤホンの音に耳が慣れただけ(心理的効果)ではないか?」という指摘です。確かに、新しい靴がだんだん足に馴染んでいくように、私たちの耳も、新しい音のバランスに順応していくという側面は十分に考えられます。

では、結局エージングはやるべきなのでしょうか?

結論から言うと、「やってみても損はないけれど、神経質になる必要はない」というのが現実的な答えかもしれません。もしあなたが新しいイヤホンを手に入れて、「なんだか音が硬いな」「ちょっとイメージと違うな」と感じたのであれば、ダメ元でエージングを試してみる価値はあるでしょう。

もし試すのであれば、特別なエージング専用音源などもありますが、普段自分が聴いている様々なジャンルの音楽を、普段聴くのと同じくらいの音量で、数十時間程度鳴らし続けてみるのが一般的です。大きすぎる音量で長時間鳴らすと、逆にドライバーにダメージを与えてしまう可能性もあるので注意してください。使っていない時間に、机の上などで再生し続けておけばOKです。

エージングによって音が好みの方向に変化すればラッキーですし、たとえ物理的な変化がなかったとしても、そのイヤホンの音にじっくりと耳を慣らす良い機会になります。プラシーボ効果だとしても、それで音が良く聞こえるようになれば、結果オーライですよね。あまり難しく考えず、お気に入りのイヤホンを育てていくような感覚で、楽しんでみるのが良いのではないでしょうか。

よくある質問 Q&A

ここでは、イヤホン選びに関して、多くの人が抱く素朴な疑問について、Q&A形式でお答えしていきます。

Q1. 有線とワイヤレス、結局どっちがいいの?

A1. これは永遠のテーマかもしれませんが、あなたの使い方と、何を最も重視するかによって答えは変わります

ワイヤレスのメリットは、何と言ってもケーブルからの解放感と手軽さです。通勤やスポーツなど、アクティブなシーンでの快適さは圧倒的です。最近では音質や接続安定性も非常に向上しています。

有線のメリットは、音質の安定性と遅延のなさ、充電不要という信頼性です。じっくり高音質で音楽に浸りたい場合や、音ゲーなどシビアなタイミングが求められる用途では、今でも有線に軍配が上がります。また、同じ音質レベルなら、ワイヤレスより安価な傾向にあります。

「手軽さと快適さ」を優先するならワイヤレス、「音質と安定性」を優先するなら有線、と考えると分かりやすいかもしれません。

Q2. 高いイヤホンと安いイヤホンの違いって何?

A2. 価格の違いは、主に以下の3つの要素に現れることが多いです。

  1. 音質(サウンドクオリティ):高価なイヤホンは、高性能なドライバー(BAドライバーを複数搭載したり、特殊な素材の振動板を使ったり)や、高度な音響設計(チューニング)にお金がかかっています。これにより、解像度が高く、歪みが少なく、表現力豊かなサウンドを実現しています。
  2. 機能性:高性能なノイズキャンセリング機能、高音質な通話マイク、マルチポイント接続といった付加機能は、開発コストがかかるため、高価格帯のモデルに搭載される傾向があります。
  3. 素材とデザイン:ハウジングに金属や木材などの高価な素材を使っていたり、複雑で美しいデザインを採用していたりすると、価格は上がります。耐久性や所有する満足感にも繋がる部分です。

ただし、前述の通り「価格=満足度」ではありません。数千円のイヤホンでも、基本的な性能は十分に備わっています。自分の求める性能と予算のバランスを考えることが大切です。

Q3. 完全ワイヤレスイヤホンは、片耳だけでも使える?

A3. 多くのモデルで、片耳だけの使用(モノラル再生)が可能です。右耳だけでも、左耳だけでも使える製品がほとんどですが、一部の古いモデルや安価なモデルでは、親機となる方(例えば右側)しか単独で使えない場合もあります。

料理中や仕事中に周りの音を聞きながらBGMを楽しんだり、ハンズフリー通話をしたり、左右交互に使って再生時間を延ばしたりと、片耳利用は意外と便利なシーンが多いです。購入前に、製品の仕様で「片耳モード」「モノラル再生対応」といった記述があるかを確認すると確実です。

Q4. 防水イヤホンなら、お風呂で使っても大丈夫?

A4. 「IPX7」など、高い防水性能を持つモデルであれば、理論上は可能ですが、積極的には推奨されません。理由はいくつかあります。

  • 防水規格は「真水」でのテストを基準としています。お風呂のお湯に含まれる石鹸やシャンプー、入浴剤などの化学成分は、防水パッキンを劣化させ、故障の原因となる可能性があります。
  • 急激な温度変化も、イヤホン内部に結露を発生させる原因となり得ます。
  • Bluetoothの電波は水中ではほとんど届きません。そのため、お湯の中にイヤホンが沈んでしまうと、音が途切れてしまいます。

もしどうしてもお風呂で使いたい場合は、これらのリスクを理解した上で、自己責任で行う必要があります。「お風呂用」と明記された専用のスピーカーなどを使う方が、安心して楽しめるかもしれません。

まとめ:自分だけの最高の音楽体験を見つけよう

ここまで、本当に長い道のりでしたね。お疲れ様でした!イヤホンの形状や接続方法といった基本的な分類から始まり、音質の心臓部であるドライバーユニット、スペック表に並ぶ難解な専門用語、そして生活を豊かにする便利な機能の数々まで、イヤホンにまつわる知識を網羅的に解説してきました。

もう一度、大切なことをおさらいしましょう。

  • イヤホン選びのスタートは「自分を知る」こと:あなたがどんな場面で、どんな音を聴きたいのか。ライフスタイルと好みを明確にすることが、ゴールへの一番の近道です。
  • スペックは「言葉」である:コーデックやIPXといった記号は、イヤホンの性格を語る言葉です。意味を理解すれば、宣伝文句に惑わされず、その性能を客観的に判断できます。
  • 機能は「魔法」ではない:ノイズキャンセリングや外音取り込みは非常に便利ですが、万能ではありません。その仕組みと得意・不得意を知ることで、より賢く活用できます。
  • 最後は「フィット感」が決め手:どんなに音や機能が優れていても、あなたの耳に合わなければ意味がありません。装着感のチェックは絶対に怠らないようにしましょう。

この記事では、あえて特定の製品名を一切出しませんでした。それは、あなたに「誰かのおすすめ」ではなく、「あなた自身の基準」でイヤホンを選んでほしかったからです。この記事で得た知識は、あなたのイヤホン選びを、そして音楽ライフ全体を、より豊かで楽しいものにするための「武器」であり「地図」です。

次にあなたが家電量販店に足を踏み入れた時、きっと目の前に広がる光景は以前とは違って見えるはずです。たくさんのイヤホンが、それぞれの個性や性能を、あなたに向かって語りかけてくるように感じられるかもしれません。

さあ、自信を持って、あなただけの一台を探す旅の、次の一歩を踏み出してください。この記事が、その旅の良きパートナーとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。あなたの毎日が、素晴らしい音楽で満たされることを心から願っています。

この記事を書いた人
スクリーン サトシ

映像と音のある生活が好きすぎて、気づけばテレビ・オーディオ・カメラのことばかり追いかけている日々を送っています。
学生時代からガジェットいじりが好きで、ビデオカメラやイヤホンを分解しては壊して…の繰り返し。今ではレビューや比較を通じて、「迷ってる人の背中をちょっとだけ押せたらいいな」と思いながら、ゆるっと情報発信しています。

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