はじめに:レンズ交換式カメラの魅力とは?
デジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラの最大の魅力、それはなんといってもレンズを交換できることですよね。カメラとセットでついてきたレンズ(キットレンズ)でも十分に綺麗な写真は撮れますが、レンズを交換することで、写真の表現力はまるで魔法のように、無限に広がっていきます。
「背景をふんわりとボカした、あのプロみたいな写真が撮りたい!」
「目の前に広がる壮大な風景を、ダイナミックに切り取りたい!」
「遠くにいる野鳥の表情を、くっきりと捉えたい!」
こうした願いは、すべて「レンズ交換」によって叶えることができるんです。レンズは、単なる「写真を写すための道具」ではありません。あなたの「撮りたい」という想いを形に変えるための、最高のパートナーと言えるでしょう。
しかし、いざ交換レンズを選ぼうとすると、「なんだか種類が多すぎて、何が何だかさっぱり…」「専門用語が難しくて、カタログを見てもよくわからない…」と、途方に暮れてしまう方も少なくないのではないでしょうか。
この記事は、そんな「交換レンズ初心者さん」のために生まれました。特定のメーカーの商品をおすすめしたり、ランキング形式で紹介したりすることは一切ありません。この記事の目的はただ一つ。
「あなた自身が、自分の撮りたいものに合ったレンズを、自信を持って選べるようになること」
そのために必要な、レンズに関する基本的な知識から、ちょっとマニアックな専門用語、そして写真表現の幅を広げるためのテクニックまで、できるだけ分かりやすく、丁寧にお伝えしていきます。この記事を読み終える頃には、きっとレンズ選びが楽しくて仕方なくなっているはずです。さあ、一緒に奥深くも魅力的な交換レンズの世界へ、一歩踏み出してみましょう!
レンズの基本を知ろう
まずは基本の「き」。レンズを選ぶ上で欠かせない、スペック表の読み解き方からマスターしていきましょう。レンズの製品名やカタログに書かれている数字やアルファベットには、すべて意味があるんですよ。
まずはここから!レンズのスペック表の読み解き方
レンズのスペック表を見ると、たくさんの項目が並んでいて、最初は圧倒されてしまうかもしれません。でも、大丈夫!特に重要なポイントは限られています。ここでは、最低限これだけは押さえておきたい!という項目をピックアップして解説しますね。
焦点距離 (mm)
「焦点距離(しょうてんきょり)」は、レンズ選びにおいて最も重要なスペックの一つです。単位は「mm(ミリメートル)」で表されます。この数値が小さいほど広い範囲を写すことができ(広角)、大きいほど遠くのものを大きく写すことができます(望遠)。
例えば、「16-35mm」のように範囲が示されているものは「ズームレンズ」で、16mmから35mmの間で写る範囲を自由に変えられます。「50mm」のように単一の数値で示されているものは「単焦点レンズ」で、写る範囲は固定されています。自分がどんな写真を撮りたいかによって、選ぶべき焦点距離は大きく変わってきます。この点については、後の章で詳しく解説しますね。
F値(開放絞り値)
「F値(エフち)」は、レンズの「明るさ」を示す指標です。「F1.8」や「F4」のように表記されます。このF値の数字が小さいほど、レンズは「明るい」ということになり、一度に多くの光を取り込むことができます。
明るいレンズのメリットは主に二つあります。
- 室内や夕暮れ時など、暗い場所でも手ブレやノイズを抑えた綺麗な写真が撮りやすい。
- 背景を大きくぼかした、いわゆる「インスタ映え」するような写真を撮りやすい。
F値は、レンズの性能や価格に直結する重要な要素です。一般的に、F値が小さい(明るい)レンズほど、高価でサイズも大きくなる傾向があります。
レンズ構成
「10群14枚」のように表記されているのが「レンズ構成」です。これは、レンズの内部に「何グループの、合計何枚のレンズが使われているか」を示しています。レンズは、実は一枚の凸レンズや凹レンズでできているわけではなく、複数のレンズを組み合わせて、さまざまな収差(画像の歪みや色のにじみ)を補正し、高画質を実現しているんです。
この中には、「非球面レンズ」や「EDレンズ(特殊低分散ガラス)」といった、画質を向上させるための特殊なレンズが含まれていることもあります。これらの特殊レンズが多く使われているほど、一般的には高画質で高価なレンズになります。カタログを見る際には、どんな特殊レンズが使われているかにも注目してみると面白いですよ。
最短撮影距離
「最短撮影距離(さいたんさつえいきょり)」は、その名の通り「どれだけ被写体に近づいてピントを合わせられるか」を示す距離です。単位は「m(メートル)」や「cm(センチメートル)」で表記されます。この数値が小さいほど、被写体にグッと寄って撮影することができます。
例えば、テーブルの上にある料理や、足元に咲いている小さな花を大きく写したい場合、この最短撮影距離が短いレンズが有利になります。逆に、最短撮影距離が長いレンズだと、被写体に近づきすぎるとピントが合わなくなってしまうので注意が必要です。
最大撮影倍率
「最大撮影倍率(さいだいさつえいばいりつ)」は、最短撮影距離で撮影したときに、被写体をどれくらいの大きさで写せるかを示す指標です。「0.5倍」や「1:2」のように表記されます。「1倍(等倍)」の場合、カメラのイメージセンサー上に、被写体を実物と同じ大きさで写し出すことができます。
この最大撮影倍率が大きいレンズは、特に「マクロレンズ」と呼ばれ、花や昆虫、アクセサリーなどの小さな被写体を細部まで克明に写し撮りたい場合に活躍します。最短撮影距離と合わせてチェックしたい項目です。
フィルター径
「フィルター径(フィルターけい)」は、レンズの先端に取り付けることができる保護フィルターや、PLフィルター、NDフィルターといった各種フィルターの直径を示します。「ø77mm」のように表記されています。レンズを購入したら、まずはレンズを傷や汚れから守るための「プロテクトフィルター」を装着することをおすすめする方も多いです。その際に、このフィルター径に合ったサイズのフィルターを選ぶ必要があります。もし複数のレンズを持っていて、フィルターを共用したい場合は、一番大きなフィルター径に合わせて、ステップアップリングというアクセサリーを使う方法もありますよ。
「センサーサイズ」と「焦点距離」の深い関係
「同じ50mmのレンズなのに、自分のカメラにつけると、なんだか友達のカメラより画角が狭く(望遠に)なる気がする…」そんな経験をしたことはありませんか?その現象の理由は、カメラに搭載されている「イメージセンサー」のサイズの違いにあります。
イメージセンサーは、レンズが捉えた光を電気信号に変える、カメラの心臓部です。フィルムカメラでいうところの「フィルム」にあたる部分ですね。このセンサーのサイズには、主に3つの規格があります。
- フルサイズ: 昔の35mmフィルムと同じサイズの大きなセンサー。画質やボケの大きさで有利ですが、カメラもレンズも大きく、高価になりがちです。
- APS-C: フルサイズより一回り小さいセンサー。画質とサイズのバランスが良く、多くのデジタル一眼レフやミラーレスカメラで採用されています。
- マイクロフォーサーズ: APS-Cよりもさらに小さいセンサー。カメラシステム全体を非常にコンパクトにできるのが最大の魅力です。
ここで重要なのが、同じ焦点距離のレンズを使っても、センサーサイズが異なると写る範囲(画角)が変わるという点です。小さなセンサーサイズのカメラ(APS-Cやマイクロフォーサーズ)にレンズを装着すると、フルサイズ機に比べて、写る範囲が中央部分だけ切り取られたような形になり、結果的に望遠で撮影したような画角になります。
このため、異なるセンサーサイズのカメラ間で画角を比較するために用いられるのが「35mm判換算」という考え方です。APS-Cの場合、レンズに表記されている焦点距離を約1.5倍~1.6倍、マイクロフォーサーズの場合は約2倍すると、フルサイズ機で撮影した場合の画角に相当する焦点距離を計算できます。
例えば、APS-C機に50mmのレンズを装着した場合、35mm判換算では「50mm × 1.5 = 75mm」となり、フルサイズ機で75mmのレンズを使った時とほぼ同じ画角になります。レンズを選ぶ際には、自分の持っているカメラのセンサーサイズを把握し、この「35mm判換算」を意識することがとても大切なんです。
「マウント」って何?カメラとレンズをつなぐ大切な部分
「マウント」とは、カメラボディとレンズを接続する部分の規格のことです。ガチャっと回してレンズを取り付ける、あの部分ですね。マウントは、単にレンズを物理的に固定するだけでなく、オートフォーカス(AF)や絞りの制御、手ブレ補正などの情報をやり取りするための電子接点も備えています。
ここで非常に重要なポイントがあります。それは、「マウントの規格は、カメラメーカーごとに異なる」ということです。例えば、キヤノンのカメラにニコンのレンズを(基本的には)直接取り付けることはできません。ソニーのカメラに富士フイルムのレンズも同様です。
そのため、交換レンズを購入する際は、必ず自分の持っているカメラの「マウント」に適合したレンズを選ぶ必要があります。例えば、ソニーのEマウントのカメラを持っているなら、「ソニーEマウント用」と書かれたレンズを選ばなくてはなりません。
「えっ、じゃあ他のメーカーのレンズは絶対に使えないの?」とがっかりした方もいるかもしれません。でも、ご安心を。「マウントアダプター」という便利なアクセサリーが存在します。これは、異なるマウントを持つカメラとレンズの間を取り持ってくれる変換リングのようなものです。マウントアダプターを使えば、例えばソニーのカメラにキヤノンのレンズを装着する、といったことも可能になります。ただし、マウントアダプターによっては、オートフォーカスの速度が遅くなったり、一部機能が制限されたりする場合もあるので、使用する際には注意が必要です。
レンズの種類と特徴
さて、レンズの基本的なスペックがわかったところで、次は具体的なレンズの種類について見ていきましょう。レンズは、その特性によっていくつかのカテゴリーに分類できます。自分の撮りたい写真に合わせて、どんな種類のレンズがあるのかを知っておくことが、レンズ選びの第一歩です。
大きく分けて2種類!「単焦点レンズ」と「ズームレンズ」
交換レンズは、焦点距離を変えられるかどうかで、大きく「単焦点レンズ」と「ズームレンズ」の2つに分けられます。どちらが良い・悪いというものではなく、それぞれに得意なこと、不得意なことがあります。その特性を理解して使い分けるのが上級者への道ですよ。
単焦点レンズのメリット・デメリット
「50mm F1.8」のように、焦点距離が一つに固定されているのが単焦点レンズです。ズームができないので、写る範囲を変えたいときは、自分が前後に動いて構図を決める必要があります。一見不便そうに思えますが、それを補って余りある魅力がたくさんあるんです。
メリット
- F値が小さい(明るい)ものが多い: ズームレンズに比べて設計がシンプルなため、F1.8やF1.4といった非常に明るいレンズを、比較的手頃な価格で手に入れることができます。暗い場所での撮影や、大きなボケ表現が得意です。
- 高画質でシャープな写り: レンズの構成枚数が少なく、設計に無理がないため、一般的にズームレンズよりも解像力が高く、シャープな描写をする傾向があります。
- 小型・軽量なものが多い: シンプルな構造のため、小さくて軽いレンズが多く、持ち運びが楽です。カメラ散歩(スナップ撮影)には最適かもしれません。
- 写真が上達しやすい?: ズームに頼れない分、自分の足で構図を探すようになります。被写体との距離感をどう取るか、背景をどう整理するかなどを深く考えるきっかけになり、結果的に写真の腕が上がるとも言われています。
デメリット
- 画角が固定されている: 目の前の被写体に対して、もう少し広く写したい、もう少し大きく写したい、と思ってもすぐに変えることはできません。レンズ交換をするか、自分が動く必要があります。
- 複数のレンズが必要になることも: 様々な画角で撮影したい場合、複数の単焦点レンズを持ち歩く必要が出てきます。
ズームレンズのメリット・デメリット
「24-70mm F2.8」のように、焦点距離に幅があるのがズームレンズです。レンズのズームリングを回すだけで、写る範囲(画角)を自由に変えることができます。カメラの入門セットに付いてくる「キットレンズ」も、このズームレンズであることがほとんどですね。
メリット
- 一本で様々な画角に対応できる: 最大のメリットは、なんといってもその利便性です。レンズ交換の手間なく、広角から望遠まで、手元で素早く画角を調整できます。旅行やイベントなど、荷物を減らしたいけれど色々な写真を撮りたい、というシーンで大活躍します。
- 構図の微調整が容易: あと一歩下がれない、という状況でも、ズームを操作することで理想の構図に追い込むことができます。
- シャッターチャンスに強い: 動き回る子供やペット、スポーツシーンなど、被写体との距離が刻々と変わる場面でも、ズームで追従できるため、決定的な瞬間を逃しにくいです。
デメリット
- F値が暗めなものが多い: 特に安価なズームレンズは、F値がF3.5-5.6のように、ズームの望遠側に行くほど暗くなる「可変絞り」のものが多くあります。F値が固定されている(通し)のズームレンズもありますが、高価で大きく、重くなる傾向があります。
- 単焦点レンズに比べて大きく重い: 複雑な構造のため、同程度の価格帯の単焦点レンズと比較すると、サイズが大きく、重くなりがちです。
- 画質は単焦点に一歩譲ることも: 多くの焦点距離をカバーするために複雑な設計になっている分、画像の歪みや解像力の点で、最高の単焦点レンズには及ばない場合もあります。もちろん、最近の高性能なズームレンズは、単焦点に匹敵するほどの素晴らしい写りをするものもたくさんあります。
撮りたいものが見つかる!画角で分けるレンズの種類
焦点距離によって写る範囲(画角)が変わる、というお話をしました。この画角は、一般的に「広角」「標準」「望遠」の3つに大きく分類されます。それぞれに得意な被写体や表現がありますので、見ていきましょう。(ここでの焦点距離は35mm判換算を基準にお話ししますね)
広角レンズ
おおよそ35mm以下の焦点距離を持つレンズを広角レンズと呼びます。人間の視野よりも広い範囲を写し取ることができ、ダイナミックで開放感のある表現が得意です。
特徴
- 写る範囲が広い: 狭い室内でも全体を写したり、広大な風景を一枚の写真に収めたりすることができます。
- 遠近感が強調される(パースがつく): 手前のものはより大きく、遠くのものはより小さく写るため、写真に奥行きと迫力が生まれます。この効果を利用して、建物を下から見上げるように撮ると、天に向かってそびえ立つような力強い表現ができます。
- 被写界深度が深い: ピントの合う範囲が広いため、手前から奥までくっきりとピントが合った「パンフォーカス」な写真を撮りやすいです。
向いている被写体
風景写真、星空、建築物、室内撮影、集合写真など。また、あえて被写体にぐっと寄って、背景と一緒に写し込むようなスナップ写真も面白いですよ。
標準レンズ
おおよそ50mm前後の焦点距離を持つレンズを標準レンズと呼びます。この画角は、人間が片目で集中して物を見た時の視野に近いと言われており、最も自然で見たままの印象に近い写真を撮ることができます。
特徴
- 自然な遠近感: 広角レンズのようなデフォルメや、望遠レンズのような圧縮効果が少なく、目で見た光景を素直に切り取ることができます。
- 使いやすく万能: クセがないため、被写体を選ばず、様々なシーンで活躍します。スナップ、ポートレート、テーブルフォトなど、とりあえず一本持っておくと非常に重宝します。
- 明るい単焦点レンズが多い: 50mm F1.8といった、非常に明るくて価格も手頃な「撒き餌レンズ」と呼ばれる単焦点レンズが多くラインナップされており、交換レンズの最初の1本として選ぶ人も多いです。
向いている被写体
スナップ写真、ポートレート、テーブルフォト、日常の記録など、オールマイティに使えます。「何を撮るか決まっていないけど、カメラを持って出かけたい」そんな日にぴったりのレンズです。
望遠レンズ
おおよそ85mm以上の焦点距離を持つレンズを望遠レンズと呼びます。遠くにあるものを、ぐっと引き寄せて大きく写すことができます。さらに焦点距離が長くなると「超望遠レンズ」と呼ばれることもあります。
特徴
- 遠くのものを大きく写せる: 物理的に近づけない被写体を撮影するのに不可欠です。運動会でのお子さんの表情、動物園の動物、空港の飛行機など、活躍の場は広いです。
- 圧縮効果: 遠くの背景をぐっと引き寄せて、被写体との距離感を縮めて見せる効果があります。これにより、背景が整理され、主役である被写体を際立たせることができます。例えば、ポートレート撮影で背景の玉ボケを大きくしたい場合などに有効です。
- 被写界深度が浅い: ピントの合う範囲が狭いため、背景をぼかしやすいです。ポートレート撮影で被写体を浮き上がらせるような表現が得意です。
向いている被写体
スポーツ、野生動物、鳥、飛行機、鉄道、運動会や発表会、そして背景を整理したいポートレートなど。
ちょっと個性的?特殊なレンズの世界
広角・標準・望遠の他にも、特定の目的のために作られたユニークなレンズたちが存在します。これらを使いこなせば、あなたの写真表現はさらにユニークで面白いものになるでしょう。
マクロレンズ
マクロレンズは、被写体に非常に近づいて、細部を大きく写すことに特化したレンズです。「接写レンズ」とも呼ばれます。最大撮影倍率が「1倍(等倍)」以上の性能を持つものが多く、道端の草花や、指輪などのアクセサリー、料理のシズル感などを、肉眼では見えないレベルまで克明に写し出すことができます。一つ一つのピント合わせがシビアになるため、三脚を使ってじっくり撮影するスタイルが基本になります。
魚眼レンズ(フィッシュアイ)
魚眼レンズは、対角線方向に180°以上の、極めて広い範囲を写し取ることができる超広角レンズの一種です。その名の通り、魚が水面から上を見上げた時のような、独特のデフォルメされた写りが特徴です。風景を撮れば地平線や水平線が大きく湾曲し、非常にユニークでインパクトのある写真になります。全てを面白く歪ませてしまうので常用するレンズではありませんが、ここぞという時に使うと、見る人の意表を突く一枚が撮れるかもしれません。
シフトレンズ(ティルトシフトレンズ)
主にプロの建築写真家などが使用する、非常に特殊なレンズです。レンズの一部を上下左右に動かしたり(シフト)、傾けたり(ティルト)する機構を持っています。「シフト」機能は、高いビルを下から見上げて撮影したときに、上がすぼまって写ってしまう「パース(遠近感による歪み)」を補正し、まっすぐに写すために使われます。「ティルト」機能は、ピントの合う面を意図的に傾けることで、普通ではありえない範囲にピントを合わせたり、逆にピントの合う範囲を極端に狭くして、街並みなどをミニチュア模型のように見せる「ジオラマ風」の写真を撮ったりすることができます。非常に高価で操作も難しいですが、使いこなせれば独特の世界観を表現できるレンズです。
写真の表現力を高める知識
さて、レンズの種類がわかったら、次はそれらをどう使いこなすか、というステップに進みましょう。ここでは、写真の仕上がりを大きく左右する「F値(絞り)」「シャッタースピード」「ISO感度」という3つの要素と、レンズの性能について、もう少し深く掘り下げていきます。
写真の明るさを決める「F値(絞り)」を使いこなそう
レンズのスペック解説でも登場した「F値」。これはレンズの明るさを示すと同時に、カメラマンが「絞り(しぼり)」を操作することで、写真の表現をコントロールするための重要な要素でもあります。レンズの内部には、光の通り道の大きさを変えるための「絞り羽根」という部品が内蔵されています。
F値を小さくする(絞りを開く)と、光の通り道が大きくなり、たくさんの光を取り込めます。その結果、写真は明るくなり、背景のボケも大きくなります。ポートレートで人物を際立たせたい時などに有効なテクニックです。
逆に、F値を大きくする(絞りを絞る)と、光の通り道が小さくなり、取り込む光の量が減ります。その結果、写真は暗くなりますが、ピントの合う範囲(被写界深度)が広くなります。風景写真で、手前の花から遠くの山まで、全体にピントを合わせたい時などに使います。
「ボケ」の正体とコントロール方法
多くの人が一眼カメラに憧れる理由の一つが、この「ボケ」ですよね。ボケをコントロールする要素は、主に以下の3つです。
- F値: F値が小さい(絞りを開く)ほど、ボケは大きくなります。これが最も基本的なコントロール方法です。
- 焦点距離: 焦点距離が長い(望遠)ほど、ボケは大きくなります。同じF値なら、広角レンズより望遠レンズの方が背景はボケやすいです。
- 被写体との距離: 被写体に近づくほど、背景は大きくボケます。逆に、被写体から離れるとボケは小さくなります。
これらの要素を組み合わせることで、ボケの量を自在に操ることができるようになります。「主役(被写体)と背景の距離を離し、自分は主役に近づいて、望遠気味のレンズで、F値を開放(一番小さい数値)にして撮る」。これが、ボケを最大にするための基本的な考え方です。
「光芒(こうぼう)」を出してみよう
夜景などを撮ったときに、街灯などの点光源から、キラキラと光の筋が伸びている写真を見たことはありませんか?あれが「光芒(こうぼう)」です。この光芒は、F値を大きく絞り込むことで発生します。F11、F16といった数値まで絞ると、絞り羽根の形に沿って光が回折し、綺麗な光の筋となって現れます。光芒の筋の数は、レンズの絞り羽根の枚数によって決まります。奇数枚だとその倍の数、偶数枚だと同数の筋が出ると言われています。夜景撮影の際には、ぜひ三脚を使って、絞りをぐっと絞って撮影してみてください。写真が一気に華やかになりますよ。
ブレずに撮るための「シャッタースピード」
「シャッタースピード」は、カメラのシャッターが開いている時間のことです。「1/1000秒」のように、非常に速いスピードから、「30秒」といった遅いスピードまで設定できます。
シャッタースピードが速いと、被写体の動きをピタッと止めて写すことができます。スポーツ選手がジャンプした瞬間や、鳥が羽ばたく瞬間などを捉えるのに適しています。一方、シャッタースピードが遅いと、動いているものが「ブレて」写ります。このブレを意図的に利用して、川の流れを絹のように滑らかに表現したり、車のライトの光跡を表現したりするテクニックもあります。
ここで注意したいのが「手ブレ」です。シャッタースピードが遅くなると、撮影者がカメラを持っている手の、ほんのわずかな揺れも「ブレ」として写真に記録されてしまいます。手ブレを防ぐためには、シャッタースピードをある程度速く保つ必要があります。
手ブレしにくいシャッタースピードの目安として、古くから「1 / 焦点距離」秒というものがあります。例えば、焦点距離50mmのレンズを使っているなら「1/50秒」より速く、200mmの望遠レンズを使っているなら「1/200秒」より速いシャッタースピードを保つと、手ブレしにくいと言われています。もちろん、最近は高性能な「手ブレ補正機構」がレンズやカメラボディに搭載されていることが多いので、この目安よりも遅いシャッタースピードでもブレずに撮れることが増えましたが、基本として覚えておくと便利です。特に望遠レンズを使う際は、手ブレに細心の注意を払いましょう。
画質を左右する「ISO感度」
「ISO感度(イソかんど)」は、レンズが捉えた光を、カメラのイメージセンサーがどれだけ増幅させるか、という度合いを示す数値です。「ISO100」「ISO1600」のように表記されます。
ISO感度を上げると、少ない光でも明るい写真が撮れるようになります。暗い室内や夜景など、F値やシャッタースピードだけでは明るさが足りない時に、ISO感度を上げることで対応します。しかし、ISO感度を上げすぎると、写真に「ノイズ」と呼ばれるザラザラとした荒れが発生し、画質が低下する原因になります。そのため、基本的にはできるだけ低いISO感度(ISO100や200など)で撮影するのが、最も高画質に撮るためのセオリーです。
「F値」「シャッタースピード」「ISO感度」の3つは、写真の明るさを決める「露出の三要素」と呼ばれ、互いに密接に関係しています。例えば、「暗い場所で、F値はこれ以上小さくできないし、シャッタースピードもこれ以上遅くすると手ブレしてしまう…」という状況で、初めてISO感度を上げる、というように、三者のバランスを取ることが、思い通りの写真を撮るための鍵となります。
レンズの性能を測る指標
レンズの良し悪しは、単に「明るさ」や「焦点距離」だけでは決まりません。より深くレンズの性能を知るための、少し専門的な指標も見てみましょう。
解像力とは?
「解像力」とは、レンズがどれだけ被写体の細かいディテールを鮮明に写し取れるか、という性能のことです。解像力が高いレンズで撮影した写真は、拡大して見ても、髪の毛一本一本や、建物の壁の質感などがくっきりと描写されます。「シャープな写り」といった表現も、この解像力の高さを指していることが多いです。一般的に、レンズの解像力は、絞りを少し絞ったF5.6~F8あたりで最も高くなると言われています。
収差って何?
「収差(しゅうさ)」とは、レンズの物理的な特性によって生じてしまう、画像の歪みや色のにじみのことです。完璧なレンズというものは存在せず、どんなレンズにも収差は少なからず存在します。しかし、高性能なレンズは、この収差を極限まで補正するための工夫が凝らされています。
- 歪曲収差(わいきょくしゅうさ): 写真の中の直線が、歪んで写ってしまう現象です。広角レンズでは、中心から離れるほど外側に膨らむ「樽型収差」が、望遠レンズでは内側にへこむ「糸巻き型収差」が出やすい傾向があります。
- 色収差(いろしゅうさ): 被写体の輪郭部分などに、実際にはない紫や緑の色ズレ(フリンジ)が発生する現象です。光は色(波長)によって屈折率が異なるために発生します。これを補正するために「EDレンズ(特殊低分散ガラス)」などの特殊硝材が使われます。
最近のカメラでは、これらの収差をカメラ内のデジタル処理で補正してくれる機能も充実しています。
周辺光量落ち
「周辺光量落ち(しゅうへんこうりょうおち)」とは、絞りを開放(F値を一番小さく)にして撮影した際に、写真の四隅が中央部分に比べて暗く写る現象のことです。特に大口径の広角レンズなどで発生しやすいです。これを欠点と捉えることもできますが、あえて「味」として活かし、中央の被写体に視線を誘導する効果として利用することもあります。気になる場合は、少し絞りを絞る(F値を大きくする)ことで改善されます。
コーティングの役割
レンズの表面には、「コーティング」と呼ばれる非常に薄い膜が何層にもわたって施されています。このコーティングの主な役割は、レンズ面での光の反射を防ぎ、「フレア」や「ゴースト」といった現象を抑制することです。
フレアは、太陽などの強い光源にレンズを向けたときに、画面全体が白っぽく、コントラストが低下してしまう現象。ゴーストは、画面内に光源の形をした光の玉が写り込む現象です。これらを抑え、クリアで抜けの良い画像を得るために、各レンズメーカーは独自の高性能なコーティング技術を開発し、競い合っています。コーティングは、レンズの描写性能を支える、縁の下の力持ちなんです。
レンズ選びのヒント
さて、ここまでレンズに関する様々な知識を学んできました。いよいよ、実践編です。数あるレンズの中から、自分にとっての「運命の一本」を見つけ出すためのヒントをいくつかご紹介します。一番大切なのは、カタログスペックだけを追いかけるのではなく、「自分が何を撮りたいか」を明確にすることです。
あなたの「撮りたいもの」は何ですか?
レンズ選びで迷子になったら、一度この原点に立ち返ってみましょう。あなたがカメラを手にして、撮りたいと願う被写体やシーンは何でしょうか。それがレンズ選びの最大の道しるべになります。ここでは、よくある撮影シーンごとに、どんな特性を持つレンズが役立つかを考えてみましょう。
- 動き回る子供やペットを、愛情たっぷりに撮りたい
子供やペットは予測不能な動きをしますよね。そんな時は、素早く画角を変えられる標準ズームレンズがとても便利です。また、室内で撮ることも多いでしょうから、F2.8通しのような明るいズームレンズがあると、シャッタースピードを稼ぎやすく、ブレの少ない生き生きとした表情を捉えられます。公園など広い場所で遊ぶ姿を撮るなら、少し離れた場所から自然な表情を狙える望遠ズームレンズも活躍します。背景をふんわりぼかして、お子さんを主役にしたいなら、50mmや85mmといった明るい単焦点レンズも素晴らしい選択肢です。 - 旅先で出会った、息をのむような美しい風景を撮りたい
目の前に広がる壮大な景色をダイナミックに写し撮るなら、広角ズームレンズは欠かせません。広い範囲を写せるだけでなく、遠近感を強調することで、迫力のある一枚に仕上げることができます。一方で、風景の一部を切り取って、その造形美を表現したい場合は、標準レンズや望遠レンズも有効です。山々が連なる様子を圧縮効果で表現したり、遠くの印象的な木をクローズアップしたり。一本で幅広いシーンに対応したいなら、高倍率ズームレンズも旅のお供として心強いでしょう。 - 旅行には、できるだけ身軽な機材で行きたい
レンズ交換の手間なく、一本で広角から望遠までカバーできる高倍率ズームレンズは、まさに旅行のためのレンズと言えるかもしれません。画質面では単焦点や大三元ズームに一歩譲る場合もありますが、その利便性は絶大です。あるいは、画質を重視しつつコンパクトさを求めるなら、35mmや50mmの小型軽量な単焦点レンズを一本だけ持っていく、というのも粋な選択です。「このレンズで撮れるものだけを撮る」と割り切ることで、逆にその場の光景と真摯に向き合えるかもしれません。 - カフェで、おしゃれな料理やスイーツを撮りたい
テーブルフォトでは、席を立たずに撮影できる画角が求められます。35mmから50mm程度の標準域のレンズが使いやすいでしょう。被写体にグッと寄って、シズル感を表現したいなら、最短撮影距離が短いレンズが有利です。本格的に撮りたいなら、マクロレンズも面白い選択肢。料理のディテールまで驚くほど鮮明に写し出すことができます。また、背景を綺麗にぼかして主役の料理を際立たせるために、F値の小さい明るいレンズが活躍します。 - モデルさんの魅力を最大限に引き出す、ポートレートを極めたい
ポートレート撮影では、背景を美しくぼかして被写体を浮き上がらせる表現がよく使われます。そのため、F値の小さい明るいレンズが定番です。焦点距離は、85mmや135mmといった中望遠の単焦点レンズが「ポートレートレンズ」の王道と呼ばれています。適度な距離感を保ちつつ、望遠の圧縮効果で背景を整理し、歪みの少ない自然な表情を捉えることができます。全身を入れたり、背景の状況を説明的に入れたりしたい場合は、50mmや35mmの標準・広角域のレンズも表現の幅を広げてくれます。
このように、「撮りたいもの」を軸に考えると、自分が必要とするレンズの「焦点距離」や「明るさ」が、自ずと見えてくるはずです。
純正レンズとサードパーティ製レンズ
交換レンズは、カメラメーカー自身が作っている「純正レンズ」と、レンズ専門メーカーが作っている「サードパーティ製レンズ」の2種類に大別されます。どちらにも魅力的な製品がたくさんあります。
純正レンズの傾向
カメラメーカーが、自社のカメラのために設計・製造しているレンズです。最大のメリットは、何といっても「安心感」でしょう。カメラボディとの連携は完璧で、オートフォーカスや手ブレ補正などの性能を100%引き出すことができます。メーカーが威信をかけて作るフラッグシップモデルのレンズは、最高の描写性能と信頼性を誇ります。一方で、高性能なレンズは価格も高価になる傾向があります。
サードパーティ製レンズの傾向
タムロンやシグマといった、レンズ専門メーカーが製造しているレンズです。サードパーティ製レンズの魅力は、「独創的なスペック」と「コストパフォーマンス」にあります。純正レンズにはないユニークな焦点距離や明るさを持つレンズや、純正レンズと同等のスペックでありながら、より手頃な価格で提供されているレンズなど、多彩なラインナップが揃っています。近年では、描写性能も純正レンズに全く引けを取らない、素晴らしいレンズが数多く登場しており、多くの写真家に愛用されています。レンズ選びの際には、サードパーティ製レンズも積極的に選択肢に入れることで、より自分に合った一本を見つけやすくなるでしょう。
新品?中古?レンズの購入方法
レンズを手に入れる方法は、新品で購入するだけではありません。中古市場も非常に活発で、賢く利用すれば、お得に機材を揃えることができます。
新品のメリット
- 誰も使っていないので、傷や汚れの心配がない。
- メーカー保証が付いているので、万が一の初期不良にも安心。
- 最新の技術が投入されたモデルを手に入れることができる。
中古品のメリット
- なんといっても価格が安い。同じ予算で、ワンランク上のレンズを狙うことも可能。
- すでに生産が終了してしまった「オールドレンズ」など、個性的なレンズに出会えることがある。
- 環境に優しい。
中古レンズを購入する際は、信頼できる専門店を選ぶのが安心です。多くの専門店では、専門のスタッフがレンズの状態を細かくチェックし、ランク付けをして販売しています。購入前には、実際にカメラに装着させてもらい、AFの動作や絞り羽根の動き、レンズ内のカビや大きなホコリの混入がないかなどを、自分の目で確認させてもらうと良いでしょう。少しのチリの混入は写りに影響ないことがほとんどですが、カビはレンズのコーティングを侵食してしまうため、避けた方が賢明です。賢く中古品を選んで、レンズ沼の探検費用を捻出するのも、一つの楽しみ方かもしれませんね。
レンズを長く使うためのメンテナンス
手に入れた大切なレンズは、あなたの写真ライフを共に歩む相棒です。少しの気遣いとメンテナンスで、その性能を長く保ち、いつでも最高の写りを提供してくれます。ここでは、基本的なお手入れと保管方法についてご紹介します。
普段のお手入れ方法
撮影から帰ってきたら、カメラをバッグに入れっぱなしにせず、簡単なお手入れをしてあげる習慣をつけましょう。特にレンズは、指紋やホコリが付着しやすい部分です。
用意するもの
- ブロワー: シュポシュポと風を送って、レンズ表面の大きなホコリを吹き飛ばすための道具です。いきなり布で拭くと、ホコリでレンズを傷つける可能性があるので、まずはブロワーで飛ばすのが鉄則です。
- レンズペン: ペン型のお掃除グッズで、片方がブラシ、もう片方がカーボンパウダー付きのチップになっています。ブロワーで飛ばしきれなかった細かなチリをブラシで払い、指紋などの油汚れをチップで除去します。
- クリーニングクロス: レンズやカメラボディを拭くための、専用の柔らかい布です。メガネ拭きなどで代用せず、専用のものを使うことをおすすめします。
お手入れの手順
- まず、ブロワーを使って、レンズの前玉・後玉(レンズの前と後ろのガラス面)や、レンズの外観についたホコリを丁寧に吹き飛ばします。
- しつこい指紋や油汚れがある場合は、レンズペンを使います。ハァーっと息を吹きかけてレンズ表面を少し曇らせてから、円を描くように優しく拭き取ります。
- 最後に、クリーニングクロスでレンズの鏡筒(外側のボディ部分)などを優しく拭いてあげれば完了です。
この簡単なステップだけで、レンズの状態は格段に良く保てます。
保管方法の注意点
レンズにとって最大の敵、それは「カビ」です。一度レンズ内部にカビが発生してしまうと、除去するには専門の業者に分解清掃を依頼する必要があり、高額な費用がかかります。最悪の場合、修理不能になることも。カビは「高温多湿」と「ホコリ(栄養分)」が大好きです。
レンズをカビから守るための最適な保管場所は、「防湿庫」です。これは、内部の湿度を常に40%前後に保ってくれる、カメラ機材専用の保管庫です。少し値は張りますが、高価なレンズをたくさん持っているなら、導入を検討する価値は十分にあります。もっと手軽に始めたい場合は、密閉できるプラスチックケースに乾燥剤を入れた「ドライボックス」でも代用できます。その場合は、定期的に乾燥剤を交換するのを忘れないようにしましょう。
少なくとも、カメラバッグに入れっぱなしにしたり、押し入れの奥にしまい込んだりするのは絶対に避けてください。風通しの良い、直射日光の当たらない場所に保管することを心がけましょう。
レンズフィルターを活用しよう
レンズのメンテナンスを楽にし、さらに表現の幅を広げてくれる便利なアクセサリーが「レンズフィルター」です。
プロテクトフィルター
これは、無色透明のガラスでできたフィルターで、レンズの最も前にある「前玉」を、傷や汚れ、不意の衝撃から守るためのものです。「レンズの保険」のようなものですね。高価なレンズを購入したら、まずはこのプロテクトフィルターを装着するという方も多いです。フィルターが汚れたら、レンズ本体を拭くよりも気軽に拭き掃除ができます。
表現を変えるフィルター
フィルターには、プロテクトフィルター以外にも、写真の表現を積極的に変えるためのものがあります。
- PLフィルター(偏光フィルター): ガラスや水面の反射を除去したり、空気中の水蒸気の反射を抑えて、空の青さや木々の緑をより鮮やかに写し出したりする効果があります。風景写真では必須アイテムとも言えるフィルターです。
- NDフィルター(減光フィルター): レンズに入る光の量を減らす、サングラスのようなフィルターです。日中の明るい場所でも、シャッタースピードを意図的に遅くしたい場合(川の流れを滑らかに撮るなど)や、絞りを開けて背景をぼかしたい場合に使用します。
これらのフィルターを使いこなすことで、レンズの能力をさらに引き出し、一歩進んだ写真表現が可能になります。
まとめ:レンズを知れば、写真はもっと楽しくなる!
ここまで、本当に長い道のりでしたね。お疲れ様でした!
交換レンズの基本的なスペックの読み方から、レンズの種類と特徴、写真表現を高めるための知識、そして具体的なレンズ選びのヒントまで、幅広く解説してきました。もしかしたら、少し難しいと感じる部分もあったかもしれません。でも、すべてを一度に完璧に理解する必要はありません。
この記事でお伝えしたかった、たった一つの大切なこと。それは、「レンズは、あなたの創造性を解き放つための魔法の道具である」ということです。
焦点距離を変えれば、世界はダイナミックにも、繊細にも切り取れます。
F値(絞り)を操れば、被写体をくっきりと浮かび上がらせることも、隅々までシャープに描くことも自由自在です。
広角、標準、望遠、マクロ…それぞれのレンズには、それぞれの得意な表現があります。
この記事は、特定の「正解」を示すものではありません。レンズ選びに、絶対的な正解はないのです。大切なのは、あなたが「何を、どのように撮りたいか」という想いと向き合い、その想いを実現してくれる最高のパートナー(レンズ)を探す、そのプロセスそのものです。
この記事が、あなたのその楽しい「レンズ探しの旅」の、信頼できる地図やコンパスのような存在になれたなら、これ以上に嬉しいことはありません。さあ、カメラと、新しく迎えるかもしれないレンズを持って、素晴らしい光景を探しに出かけましょう。あなたの写真ライフが、これまで以上に豊かで楽しいものになることを、心から願っています!


